学生会員を正会員に移行するタイミングで困っていませんか?4つの対応方法をご紹介

こんにちは。会員管理グループの篠ケ瀬です。
年度の切り替わりは、学会運営において重要な時期の一つです。特に、学生会員から正会員への移行に関しては、多くの学会様が頭を悩ませていらっしゃいます。今回は、新年度に向けた学生会員へのアナウンス方法について、実例を交えながらご紹介させていただきます。
 

1. こんなお悩みありませんか?

「3月に卒業予定の学生会員の方が、実際に卒業されたのかどうか把握できない...」
「在学証明書の提出を依頼しているけれど、なかなか提出していただけない...」
このような声を、多くの学会様からお聞きしています。
卒業予定年度は把握している場合でも、実態を把握することはそう簡単ではありません。
学生会員の状況把握は、会員管理における重要な課題の一つと言えるでしょう。

2. 問題点の整理

このようなお悩みはどんな問題につながっているのでしょうか?私たちは大きく以下の2点の問題があると考えています。

2.1. 年会費を正しく請求できない

多くの学会では、学生会員と正会員で年会費に差を設けています。学生会員から正会員への移行に漏れがあると、本来徴収できるはずの会費が減少してしまい、学会の運営に影響を及ぼす可能性があります。

2.2. 学生会員の状況を把握するための業務負担増

会員数が多い学会では、個々の会員の状況を細かく把握するだけでもかなりの手間が発生し、特に年度末の繁忙期と重なるため、状況確認の業務負担が大きな課題となっています。

3. 対応方法

ここからは、実際に私たちがサポートしている様々な学会様での事例を通じて、対応方法と案内文例をご紹介します。

3.1. 最終学歴による一括変更

会員情報に最終学歴が登録されている場合、その情報を基に卒業予定の会員を一括で正会員へ変更する方法です。効率的に処理できるため、会員数が多い学会様でよくある事例となります。
一方で、会員が期限までに最終学歴を更新しなかった場合や休学や留年のケースに対応できない可能性があります。
【案内文例】
卒業予定の学生会員は新年度から正会員に更新します。
進学などで引き続き学生会員を継続される方は、〇月〇日までに最終学歴を更新してください。

3.2. 在学証明書の未提出者を一括変更

在学証明書の提出を求め、期限までに提出がない場合は自動的に正会員へ変更する方法です。
明確な基準で運用できるため、学生会員ではない方を確実に正会員へ移行したい、会員種別を厳密に管理したい学会様で用いられています。ただし、事務局で証明書の提出有無を管理する必要があります。
【案内文例】
学生会員の方は、〇月〇日までに在学証明書の写しを提出してください。提出がない場合は正会員に移行します。

3.3. 会員の自己申告による変更

会員自身で卒業や就職の報告をしていただく方法です。
会員の自主性に委ねることで事務局の負担を軽減できますが、申告漏れのリスクがあります。
【案内文例】
新年度の年会費を〇月に請求します。卒業等によって学生でなくなった場合は、事務局にご連絡ください。

3.4. 学生会員全員への確認

学生会員全員に状況確認のメールを送信し、返信内容に基づいて更新する方法です。
1人1人から情報が得られる反面、事務局の作業負担が大きくなります。
【案内文例】
〇月〇日までに以下いずれかを回答してください。 1.学生会員を継続する 2.正会員へ移行する 3.退会を希望する

4. まとめ

学生会員の管理方法は、学会の規模や運営体制によって最適な方法が異なります。会員数や事務局の体制、システムの機能などを総合的に考慮しながら、各学会に合った方法を選択することが重要です。
また、どの方法を採用する場合でも、会員の方々への丁寧な告知と、移行に関する明確なルール作りが欠かせません。年度更新の時期に向けて、ぜひ貴学会に適した方法をご検討ください。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。 次回のお役立ちコラムもお楽しみに!
 
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